LTE-Mを搭載したトランシーバーとGPSトラッカーにより プッシュボタンによる双方向ボイスメッセージ通信が可能に

31
May
2021
Oslo, Norway
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NordicのnRF9160 SIPを採用したBraveridgeの「BraveTALK」が、セルラーIoTネットワーク上でのGPSトラッキングおよび音声通信を可能に

超低消費電力無線ソリューションのリーディング・プロバイダーであるNordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)は本日、福岡に拠点を置くIoTソリューション企業の株式会社Braveridge(本社:福岡県福岡市/代表取締役社長:小橋 泰成、以下Braveridge)が、同社の「BraveTALK PTT GPS Tracker」に、LTE-M/NB-IoTモデムとGPSを内蔵したNordicの低電力System-in-Package(SiP)であるnRF9160を採用したと発表しました。BraveTALKは、従来のトランシーバーのようでありながら、LTE-Mネットワークを利用した「Push-To-Talk(PTT)」音声通話が可能です。各BraveTALKデバイスをGPSでトラッキングすることもできます。 

NordicのnRF9160 SiPにはLTE-Mセルラー接続機能のほかにGPSトラッキング機能があるため、BraveTALK 

デバイスのユーザーは画面を使用したりキャラクターをタップしたりしなくても、ボタンを押すだけで世界中の相手とボイスメッセージを交換することができます。このソリューションは、たとえば建設現場のスタッフ間でのやりとりやトラッキング、配送トラックとドライバーのトラッキングなどに利用できます。nRF9160 SiPに搭載されたGPS機能でもマップ上での位置検出は可能ですが、BraveTALKではさらに、Wi-Fi Locationサービスに対応するデュアルバンドWi-Fiも装備されています。BraveTALKは、個々のデバイスのGPS位置情報を管理者がリモートでオンデマンド監視できるBraveridge独自のクラウドプラットフォーム「BraveGATEクラウドサービス」との組み合わせで動作します。 

LTE-Mセルラー接続機能とGPSは、ユーザーが「ボイスメッセージ通信」を送受信したときにのみアクティブ化されるため、低消費電力設計が実現しており、それによりBraveTALKに使用されているリチウムポリマーSTOBAバッテリーの寿命も長くなっています。nRF9160 SiPは低電力運用に最適化されており、PSMおよびeDRXの省電力モードに対応しています。たとえば、12時間ごとに1KBをアップロードするPSMモードでの平均電流は5.5µA、スリープモードでの平均電流はおよそ2µAです。 

 

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NordicのnRF9160は、アプリケーションプロセッサを搭載した世界初にして唯一のセルラーIoT SiPですので、外部プロセッサへのUARTインターフェイスにより引き起こされる多数のバグの問題がなくなります。その結果、アプリケーションの開発が圧倒的にシンプルで早くなります。
Braveridgeの代表取締役社長である小橋 泰成氏は次のように述べています

nRF9160 SiPはグローバルなセルラーIoTアプリケーション向けに開発された認証取得済みのSiPで、1MB Flashおよび256KB RAMを搭載した専用の64 MHz Arm® Cortex®-M33アプリケーションプロセッサ、RFフロントエンド(RFFE)を内蔵したマルチモードのLTE-M/NB-IoTモデム、GPSおよびパワーマネジメント機能が、10x16x1mmのコンパクトなパッケージに組み込まれています。プロセッサと潤沢なメモリアロケーション以外にも、様々なアナログ/デジタルのペリフェラル、自動化された電源およびクロック管理、Trusted Execution用のArm TrustZone®、アプリケーション層セキュリティ用のArm CryptoCell 310を備えています。プロセッサはBSDセキュアソケットAPIを介してLTEモデムと通信し、アプリケーション層プロトコル(CoAP、MQTTもしくはLWM2M等)およびアプリケーションをサポートします。 

nRF9160 SiPのLTEモデムはSIMとeSIMの両方に対応しており、700~2200MHzのLTEバンドのサポート、23dBmの出力電力、50ΩのシングルピンアンテナおよびUICCインターフェイスを提供します。LTEスタックレイヤーL1〜L3、IPv4/IPv6、TCP/UDP、TLS/DTLSはモデムファームウェアの一部です。関連製品には、事前認証済みのシングルボード開発キットであるnRF9160 DKと、事前認証済みおよび事前コンパイル済みダウンロードとして提供されるLTEモデムファームウェア、アプリケーション層プロトコル、アプリケーションサンプルを含むソフトウェア開発キットnRF Connect SDKがあります。 

Braveridgeの代表取締役社長である小橋 泰成氏は次のように述べています。 

「NordicのnRF9160は、アプリケーションプロセッサを搭載した世界初にして唯一のセルラーIoT SiPですので、外部プロセッサへのUARTインターフェイスにより引き起こされる多数のバグの問題がなくなります。その結果、アプリケーションの開発が圧倒的にシンプルで早くなります。」 

「BraveTALKのボイスメッセージ通信の実現にあたり、Nordicより多くのサポートをいただきました。Nordicは当社が求める要件をしっかりと理解し、それを実現してくれました。」 

小橋氏はワイヤレス技術の展示会である「ワイヤレスジャパン2021(2021年6月2~4日、東京ビッグサイト青海展示棟)」において、NordicのnRF9160 SiPの大きなメリットを受け同社が達成した成果についてのプレゼンテーションを行う予定となっています。