Nordic Semiconductor、独自のシステムマネジメント機能および 評価キットを備えた多機能パワーマネジメントIC(PMIC)、nPM1300を発売

28
Jun
2023
Oslo, Norway

必要な機能を小型のパッケージに組み込んだnPM1300 PMICにより、パワーマネジメントシステムの設計を簡略化。評価キットにより評価と実装が容易になり、nPM PowerUP PCアプリと併用すればコーディングも不要

超低消費電力無線ソリューションのリーディング・プロバイダーであるNordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)は本日、nPM1300™パワーマネジメントIC(PMIC)の発売を発表しました。超高効率型降圧コンバーター2個と負荷スイッチ/低ドロップアウト(LDO)電圧コンバーター2個を搭載し、充電機能を組み込んだnPM1300は、バッテリーで駆動する用途に最適です。通常は個別のコンポーネントを5つ以上必要とする回路を単一のチップに搭載することにより、最終製品の部品表(BoM)を削減します。本製品の発売にあわせ、nPM1300評価キット(EK)とnPM PowerUP PCアプリも提供されます。このEKとアプリを使用することで、開発者はコードを一切書くことなく、nPM1300 PMICの評価や構成、実装をシンプルに実行できます。

このPMICには、低電力のワイヤレス用途のための独自のシステムマネジメント機能と正確な残量ゲージ機能も組み込まれています。独自のアルゴリズムをベースとするnPM1300の残量ゲージ機能により、電圧ベースの残量ゲージよりも精度の高い電圧・電流・温度監視機能が活用される一方で、PMIC自体の電力消費がクーロンカウンタータイプの残量ゲージよりも大幅に低く保たれます。この高い精度と低電力消費のバランスを実現したのはNordicが初めてであり、競合するどのPMIC製品にもここまでの機能はありません。

NordicのPMIC担当製品ディレクターであるGeir Kjosavikは次のように述べています。
「当社がnPM1300を発売したのは、小型で最適化されたパワーマネジメントソリューションを開発者が容易に開発し、自社の低電力製品ラインナップに加えられるようにするためです。nPM1300を採用することで、個別のコンポーネントを5~6個ほど使用しシステムマネジメント機能を最初からデザイン・インする必要がなくなります。また、連動する評価キットにより、PMICの評価と開発に伴う複雑な作業を排除しました。このキットとnPM PowerUPアプリを使えば、開発者はソフトウェアを一切作成することなく、製品を短時間で組み上げ、アプリケーションの電力消費を最小限に抑えることができます」 

Quote
当社がnPM1300を発売したのは、小型で最適化されたパワーマネジメントソリューションを開発者が容易に開発し、自社の低電力製品ラインナップに加えられるようにするためです。nPM1300を採用することで、個別のコンポーネントを5~6個ほど使用しシステムマネジメント機能を最初からデザイン・インする必要がなくなります。
Geir Kjosavik, Nordic Semiconductor

NordicのnRF52®およびnRF53®シリーズのほか、先日発売された高性能ワイヤレスマルチプロトコルSystem-on-Chip(SoC)のnRF54H20™をお使いのお客様であれば、nPM1300がいかにパワーマネジメントのニーズに適しているのかがお分かりいただけるでしょう。nPM1300の未調整出力をnRF9160内部の降圧レギュレータの駆動に使うことで、nRF9160™ SiPをベースとするセルラーIoT向け用途の充電にも適しています。 

nPM1300は効率を最大限に保ちつつも、コンパクトな設計となっており、I2C互換の2線インターフェイス(TWI)を通じて構成可能です。このインターフェイスにより、各種の高度なシステムマネジメント機能、たとえば1~2個のボタンで操作できる内蔵のハードリセット機能や正確なバッテリー残量ゲージ、システムレベルのウォッチドッグ、電力ロスの警告、ブート失敗からの復旧などへのアクセスが容易になります。従来の設計では、これらの機能は一般的に個別のコンポーネントとして実装されますが、nPM1300ではオンチップ機能として存在します。

nPM1300 PMICは4.0~5.5Vの外部電源でも、最低2.4Vのバッテリー電圧でも動作します。2本のパワーレールは電圧1.0~3.3V、最大電流200mAで構成可能な別個のDC/DC降圧コンバーターで安定化されます。残りの2本のパワーレールは外部電源からの最大100mAの電流を切り替える負荷スイッチとして動作しますが、nPM1300から直接電力を供給された場合にはLDOとしても機能します。LDOとして動作する場合、これらのパワーレールの出力は、電圧1.0~3.3V、最大出力電流50mAで設定できます。非安定型の入力電圧もnPM1300からの出力として利用できます。

nPM1300は、最大800mAの充電電流および3.5~4.45Vのプログラミング可能な終端電圧に対応するリニア充電器により、1セルのLi-ion、Li-polyおよびLiFePO4バッテリーを充電することが出来ます。この充電器には、充電中のチップの上限温度をプログラミング可能な自動温度調整機能が備えられています。
nPM1300には、標準のUSBによる100mA/500mAまたはUSB-Cによる最大1500mAの自動電流制限によるUSBポート検出機能、商用電源がなくなった場合にバッテリー電源へ自動的に切り替える動的電源パスマネジメント機能、およびプログラミング可能なウェイクアップタイマーがついた超低電流シップモードおよびハイバネートモードといった各種機能もあります。また3つのLEDドライバーと5つのGPIOも搭載されており、それらを転用することで、シリアルコマンドの代替として緊急を要する制御機能の制御線として利用することが可能です。用途例としては、先進的なウェアラブルデバイスや携帯型の医療用アプリケーションなどがあります。 

nPM1300 EKを使用することで、コードを一切書かなくても、開発者が容易にPMICを評価および構成することが可能になります。nRF Connect for Desktop(Nordic製品用のクロスプラットフォーム開発ソフトウェア)の一部として提供されるnPM PowerUPアプリにEKを連携させれば、直感的なグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)でシンプルにnPM1300の設定を構成できます。この構成は後に、IoTアプリケーションで使用するSoCやマイクロコントローラーに移植することが可能です。

EKには、データ接続と電源接続用のUSB-Cコネクターが2つ、内蔵NTCサーミスタ つきとサーミスタなしのバッテリー用のJSTバッテリーコネクター、nPM1300のすべての接続にアクセスするためのオス型ピンヘッダーが搭載されています。EKの3つのLEDと4つのボタンを使用して、nPM1300のGPIOとLEDドライバー機能を評価することもできます。

nPM1300 EKはNordicの販売代理店から購入可能で、QFNおよびCSPパッケージのnPM1300 PMICは2023年10月に量産開始の予定です。試供品はNordicの販売担当を通じご提供中です。 

 

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