Nordic SemiconductorのBluetooth5.1の新しいSoC 動作周囲温度105℃に対応し、Bluetooth LE、Mesh、Threadなどを 幅広くサポート

Nordicの人気のnRF52シリーズにnRF52833 SoCが新たにラインナップ!プロ仕様の照明のほか、マルチプロトコルソリューションで、Direction Finding(方向検知)機能や、広い接続範囲および高温下での使用が求められる産業用途に最適な選択肢

超低消費電力無線ソリューションのリーディング・プロバイダーであるNordic Semiconductorは本日、実績のあるnRF52シリーズの5つ目のラインナップとして、先進的なマルチプロトコルSystem-on-Chip(SoC) nRF52833を発表します。nRF52833は、超低消費電力のBluetooth® Low Energy(Bluetooth LE)、Thread、Zigbee及び独自仕様の2.4GHz無線ソリューションであり、Bluetooth 5.1 Direction Finding(方向検知)機能をサポートし、動作周辺温度は-40℃~105℃です。

nRF52833は、FPU付きのパワフルな64MHz 32ビットArm® Cortex®-M4プロセッサに、大容量のFlashメモリ(512KB)とRAMメモリ(128KB)を搭載しているため、プロ仕様の照明やアセット・トラッキング、スマートホーム製品、高性能ウェアラブル製品、ゲーミングソリューションなど民生用・産業用の幅広いワイヤレス用途に最適です。

nRF52833の大容量のFlashメモリとRAMメモリが、ダイナミックマルチプロトコル機能をサポート。これにより、Bluetooth LEとBluetooth mesh/Thread/Zigbeeをコンカレントサポートできるため、スマートフォンからBluetooth LEを使用してプロビジョニングやコミッショニング、照明用のメッシュネットワークとのインタラクションを行うことができる用途(プロ仕様の照明など)では高いアドバンテージが得られます。nRF52833は105℃の温度下でも動作するため、温度が上がるケースが高いプロ仕様の照明向けにはさらなるアドバンテージがもたらされます。

nRF52833はBluetooth 5.1のすべてのDirection Finding(方向検知)機能に対応可能であるほか、大容量メモリによりAngle Of Arrival(AoA/到達角度)およびAoD(Angle of Departure/発信角度)アプリケーションのレシーバーとトランスミッターのどちらの役割も果たします。またDirection Finding(方向検知)機能により受信信号強度(received signal strength indication)だけでなく信号の方向にも依存した測位アプリケーションが可能となります。このようなアプリケーションとしては、リアルタイム位置情報システム(RTLS)や屋内測位システム(IPS)などがあります。

nRF52833には、これまではNordicのフラグシップ機種であるnRF52840マルチプロトコルSoCにしかなかったフルスピードUSBやハイスピードSPIのほか、+8dBmの送信出力などの高性能な機能を備えています。送信出力が増加し、Bluetooth 5テクノロジーのロングレンジ機能を備えたことで、堅牢な接続と建物全体のカバレッジを求められるスマートホームアプリケーションに最適な選択肢となっています。nRF52833には最大42本のGPIOと、NFC-AタグやADC、UART/SPI/TWI、PWM、I2S、PDMなどの幅広いアナログ/デジタルインターフェイスを搭載されています。また2段階LDO電圧レギュレーターと入力供給範囲1.7~5.5VのDC/DCコンバーターが搭載されているため、コイン電池でもリチャージャブルバッテリーでもオンチップUSBでも電源を供給できます。
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nRF52833は、世界中の何億、何兆という製品に用いられる ハードウェアおよびソフトウェアプラットフォームの汎用性をさらに高める製品です
Nordic の製品管理部長であるKjetil Holstad
Quuppa社の最高顧客責任者で共同創業者であるFabio Belloni氏は次のように述べています。「Nordicの製品ラインナップにBluetooth 5.1のDirection Finding(方向検知)機能を持つSoCが新たに加わることは、弊社にとって非常に喜ばしいことです。超低消費電力且つ十分なメモリと高い性能を併せ持つnRF52833 SoCは、弊社のエコシステムに完璧にフィットする、非常に大きな価値を生む製品です」

nRF52833は、NordicのBluetooth RFプロトコルスタックであるS113またはS140 SoftDeviceによりサポートされます。S140はBluetooth 5.1認定済みのスタックで、2MbpsのスループットとBluetoothロングレンジをサポートしており、Channel Selection Algorithm #2によりチャネルの共存機能も向上しています。nRF5ソフトウェア開発キット(SDK)にはサンプルやライブラリ、ドライバがすべて入っているため、Bluetooth LEの開発をすぐに始められます。Mesh用のnRF5 SDKおよびThreadとZigbee用のnRF5 SDKの発売は2019年第4四半期を予定しています。

Xicato社のセールス兼ビジネス開発担当上級副社長Sam Miri氏は次のように述べています。「弊社は、1つのネットワークで何万個ものノードを接続するような照明システムや、スマートビルディングの制御や監視を幅広く可能にするBluetooth meshによる完全な照明コントロールソリューションを、ハードウェアとソフトウェアの両方で提供しています。そのためには強固で信頼のおけるBluetoothハードウェアが必要となり、動作温度の範囲が広く、Bluetooth meshスタックとアプリケーションソフトウェアを完全にサポートするメモリを搭載したnRF52833は、当社のスマート照明ソリューションおよびコントロールソリューションの製品ラインナップに最適です」

nRF52833開発キット(DK)にはSoCの基本的な部分が付属しているため、nRF52833をベースとする設計を開始するには理想的な設計ツールです。DKは汎用性の高いシングルボード開発キットで、Bluetooth LE、Bluetooth mesh、802.15.4、Thread、Zigbee、およびnRF52833 SoC上で動作する独自の2.4GHzアプリケーションを対象としています。nRF52833 DKはArduino Uno Rev3規格に適合しているため、この規格に適合するNordic Power Profiler Kitや幅広いサードパーティ製のシールドを使用して開発を行うことができます。

Nordic の製品管理部長であるKjetil Holstadは次のように述べています。
「nRF52833は、世界中の何億、何兆という製品に用いられる ハードウェアおよびソフトウェアプラットフォームの汎用性をさらに高める製品です。製品寿命が長くなる一般的な民生市場や産業市場において、このような安定性が特に重要となります」

nRF52833の設計サンプルは現在入手可能で、量産は2019年第4四半期を予定しています。発売時のパッケージは、GPIO 42本の7x7 mm aQFN73、GPIO 18本の5x5 mm QFN40、GPIO 42本の3.2x3.2 mm wlCSPの3種類を予定しています。