Nordic Semiconductor、米国のメモリ専門メーカー Mobile Semiconductorを買収

11
Aug
2022
Oslo, Norway

Mobile Semiconductorは、長年にわたり、Bluetooth対応nRF52/nRF53シリーズSoC、nRF91シリーズセルラーIoT SiPなど、市場をリードするNordicのワイヤレスIoTデバイスすべてに使用されるRAMメモリを供給

超低消費電力無線ソリューションのリーディング・プロバイダーであるNordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)は本日、マイクロコントローラ(MCU)およびシステムオンチップ(SoC)用の高度に最適化された組み込みメモリ技術に特化した米国の非公開企業Mobile Semiconductorの買収について合意したことを発表しました。

Mobile Semiconductorは、各種のMCUやSoC用に超低消費電力で最適化された性能を発揮する最先端のスタティックRAM(SRAM)メモリ技術を提供してきた実績に定評があります。同社のSRAMを使用する製品には、NordicのnRF52®/nRF53®シリーズSoCや、nRF91®シリーズのシステムインパッケージ(SiP)デバイスも含まれます。

Nordicの研究開発および戦略担当CTO/EVPであるSvein-Egil Nielsenは次のように述べています。
「最適化された低電圧組み込みSRAM設計の業界トップとして知られるチームがNordicに仲間入りしてくれたことを大変嬉しく思います。長年にわたり共に働いてきた非常に親しいチームです。またテクノロジーの点でも、Mobile SemiconductorのSRAMは、当社のBluetoothおよびセルラーIoT製品のラインナップの主要な差別化要因となっています。このような理由から、今回このトップ企業の買収案が持ち上がったとき、疑問を抱くことはまったくありませんでした」

Quote
最適化された低電圧組み込みSRAM設計の業界トップとして知られるチームがNordicに仲間入りしてくれたことを大変嬉しく思います。
Svein-Egil Nielsen, Nordic Semiconductor

これに加え、Nordicのプロダクトマネジメント担当EVPであるKjetil Holstadは次のように述べています。
「IoTにおいて、超低消費電力での運用が持続可能性の点で非常に重要な要件となります。また、NordicのワイヤレスIoT製品が得意とする分野、すなわち小型のバッテリーで何年も稼働できることによってのみ環境面でも商業面でも実用可能となる携帯型やリモート型のIoTアプリケーションを実現するためにも、超低消費電力での運用は不可欠です」

Holstadは次のように付け加えます。
「しかし、IoTアプリケーションは機能面でも性能面でもどんどん向上していくため、超低電力製品の材料としてのメモリの重要性はますます高まっています。Nordicはそれを実現するため、長年にわたりMobile Semiconductorの組み込みSRAM技術に頼ってきました。今回、この専門技術を取り込むことで、高度に最適化された未来の製品の開発における当社の位置づけが大きく高まると思われます。これら製品により、Nordicが誇る超低消費電力で高性能という業界最先端の技術は今後も維持されていくことでしょう」

Mobile SemiconductorのCEOであるCameron Fisher氏は次のように述べています。
「テクノロジーの進歩に伴って、顧客はそのリソースの恩恵にあずかりますが、大企業は研究開発へ継続的に投資しなくてはなりません。Mobile Semiconductorは非公開企業としてここまで成長してきました。今、当社のメモリのアーキテクチャを次のレベルへ引き上げるために、Nordicのような企業の力が必要です。低電力・低漏洩デバイスの供給におけるNordicのリーダーシップはMobile Semiconductorと完璧にマッチするものであり、今回の買収により、当社のテクノロジーの適用範囲がさらに拡大します」


買収契約は2022年第3四半期中に締結されると期待されており、現在米国政府による承認を待っています。